簡易トイレの作り方で100均で検索する多くの方は、家や車での急なトラブルやキャンプでの夜間、災害時の断水に備えて、身近な材料で清潔に処理する方法を知りたいはずです。
この記事では、ダイソーなどの店舗で手に入る道具を軸に、ダンボールやバケツを使った組み立て、新聞紙やペットシーツでの吸収、牛乳パックの活用、オムツや猫用砂の代替案まで、現実的な手順を丁寧に解説します。
衛生面に配慮した凝固剤の使い方や、簡易トイレの凝固剤の代わりになるものは何ですか?という疑問にも答えます。
さらに、自衛隊の工夫に学ぶポイントや、車内やキャンプでの安全な設置のコツまでカバーし、限られた環境でも後始末しやすい仕組み作りを目指します。
道具はできるだけ安価に、入手性と使い勝手を両立させ、実践的で再現しやすい内容にまとめました。
■本記事のポイント
- 100均で揃う材料と手順の全体像
- 吸水と防臭を高める具体的な工夫
- 車内やキャンプでの安全な運用ポイント
- 凝固剤や代替素材の選び方と使い分け
簡易トイレの作り方で100均でできる基本アイデア
停電や断水、災害時に「トイレが使えない」という状況は誰にでも起こり得ます。
そんなとき、身近な100均アイテムを使えば、驚くほど簡単に衛生的な簡易トイレを準備することができます。
特別な道具や高価な備品を揃えなくても、ダイソーなどで手に入る材料で実用的なトイレ環境を整えることが可能です。
ここでは、素材別に最も効果的な使い方や組み合わせ方を詳しく紹介します。
防災用としての備えはもちろん、キャンプや車中泊でも活躍する、身近で手軽な「100均でできる簡易トイレ作り」の実践アイデアを順に見ていきましょう。
ダイソーで揃う簡易トイレの便利グッズ

身近な100円ショップを活用することで、緊急時に迅速に使用可能な簡易トイレの準備が格段に楽になります。
例えば、45 L前後の厚手ゴミ袋、ペットシーツ、消臭袋、輪ゴム・養生テープ、アルミブランケット、ウェットティッシュ、使い捨て手袋、除菌シートといったアイテムを一式揃え、コンパクトな収納ケースにまとめておくことで、停電や断水時にも即座に使い始めることが可能です。
こうした備えは、災害時のトイレ環境悪化が感染症リスクを上昇させるという報告もあるため重要になります(出典:災害時のトイレ衛生と健康リスクについての研究)。
選び方の目安
ゴミ袋については「二重化」を前提に枚数を確保することが推奨されます。
液体漏れや破れのリスクを考慮して、厚手タイプを選びましょう。
ペットシーツは吸水能力や保水ポリマーの量が使用時間に直結するため、厚手/高吸収タイプを選ぶことで交換頻度を減らせます。
消臭袋は強度と防臭性に優れたタイプを選択すると、廃棄時の取り扱いが非常に容易になります。
消臭スプレーについては、無香タイプを選ぶことで、密閉された空間(例:車内やテント内)でも香りが混ざって環境を悪化させることが少ないと考えられます。
これらの選定ポイントを踏まえることで、ただアイテムを揃えるだけでなく、「使いやすく・廃棄しやすい」運用も可能になります。
災害備蓄としての位置づけ
日本では、大規模災害発生時にトイレ確保が「最優先事項のひとつ」であるという報告があります。
例えば、Japan Toilet Laboの調査では、避難後6時間以内に「トイレを使いたい」と答えた人が約70%に上ったというデータも提示されています。
こうした背景から、個人備蓄として簡易トイレ関連グッズを揃えることは、防災上も理にかなったアプローチです。
100均で入手可能なアイテムを活用することで、コストを抑えつつ安定した備えを構築できます。
ダンボールを使った簡易トイレの作り方

ダンボールを素材として活用することで、家庭内でも比較的簡単かつ低コストで「座れる」簡易トイレを構築可能です。
以下に具体的な作り方および強度を高めるための工夫を整理します。
作り方手順
1 箱型のダンボールを選びます。
高さは座った時に膝が約90度になるサイズが理想ですが、状況に応じて調整してください。
2 上面に便座サイズに合わせた穴を開けます。
穴の直径は約30 から 35 cmが目安です。
切り口の角は布ガムテープで補強し、紙のめくれや破れを防ぎます。
3 内部にゴミ袋を二重にかけ、袋の端を外側に折り返してテープで固定します。
液漏れ防止のため、袋の縁が滑らないよう養生テープで補強しましょう。
4 吸水材として、新聞紙をちぎって入れるかペットシーツを敷きます。
底面にもう一枚ダンボールを敷いておくと、地面との接地による潰れを防ぎ、安定性が向上します。
5 座る位置には別部材として簡易便座カバーやクッション材を設置すると、長時間使用時の疲労軽減に役立ちます。
強度アップのコツ
内側に補強用の短冊状ダンボールを十字に配置することで、座ったときの圧を分散できます。
これにより、中央部分のたわみや破損を防ぐ効果が期待できます。
また、座面の角や前端など、負荷が集中しやすい部分は丸めて養生テープで覆うと、裂け・脱落リスクが大幅に低下します。
座る際の安定性が高まることで「簡易トイレだからやむを得ない」といった心理的な負担も軽減されるでしょう。
運用面での留意点
ダンボールで作る構造は屋内・テント内での使用に適していますが、湿気や水分にさらされると急速に強度が低下します。
特に、高湿度環境や床面が不安定な場所では底面保護や防水対策(ブルーシート敷設!)が推奨されます。
使用後は袋ごと取り外し、乾燥させたり、別の箱に交換したりしてメンテナンスを行うと、次回に備えて再利用可能な状態を維持できます。
バケツで簡単に作るトイレの活用法

バケツをトイレ本体として利用する方式は、座席の安定性と匂い対策の両立がしやすく、家庭内だけでなく車載・アウトドア用途でも応用が効きます。
以下では具体的な組み立て手順、運用のポイント、廃棄処理までを詳述します。
組み立て手順
1 取っ手付きのバケツを用意します。
容量は10 L前後が扱いやすいですが、使用予定や人数に応じて適切に選びましょう。
2 口径に合わせてゴミ袋を二重にセットします。
袋の縁をバケツの外側へ折り返し、養生テープで固定することで袋のずれを防止します。
3 バケツの縁に便座用カバーやクッションフォーム材を巻きつけると、長時間座る場合でも腰やお尻の負担を軽減できます。
4 使用後は、専用の凝固剤または吸水材を投入して水分を固め、袋を内側から結びます。
結んだ袋をさらに消臭袋(または密閉袋)に入れてから廃棄用外袋へ移すと、匂い漏れと衛生リスクが低減されます。
運用上の注意点
バケツ型のメリットは「持ち運びやすさ」と「密閉性」です。
特に車内やテントなど換気が難しい場所では、フタ付きバケツと消臭対策の組み合わせが有効です。
設置場所は水平かつ安定した床面を選び、滑り止めマットを敷くことで揺れや転倒のリスクを軽減できます。
また、明るさが確保できない場所ではランタンやヘッドライトを準備しておくと、夜間使用時の視認性と安全性が保てます。
廃棄・処理の流れ
使用後の袋の結び方や外袋への収め方が適切でないと、液漏れや臭気の発生、さらには衛生的なトラブルに発展する可能性があります。
衛生管理研究によると、避難施設においてトイレ衛生が不十分だと、呼吸器・消化器系の感染症リスクが上昇するという指摘があります(出典:避難所におけるトイレ衛生と健康影響に関する研究)。
したがって、廃棄処理では以下の流れが望ましいです:
●吸水・固化処理 → 袋を結ぶ
●結んだ袋を消臭/密閉袋へ移す
●外袋(例えば厚手のゴミ袋)へ入れて廃棄できるまで保管
このように段階的に処理を行うことで、家庭でも災害時でも衛生的かつ安全に運用できます。
ペットシーツを利用した臭い対策の工夫

ペットシーツは、もともと犬や猫などの排泄物を吸収する目的で設計されており、高分子吸水ポリマー(SAP:Super Absorbent Polymer)を含んでいる点が特徴です。
この素材は自重の数十倍の液体を吸収・保持できるため、簡易トイレの臭い対策に非常に有効です。
水分を素早く拡散してゲル状に固める構造が、臭気の発生源を物理的に閉じ込めます。
袋の底にペットシーツを敷き、その上に細かくちぎった新聞紙を重ねることで、固形物と液体の分離が進み処理が容易になります。
この二層構造は、液体が吸収層に到達した時点で素早く固化されるため、臭気が空気中に拡散しにくくなるという利点があります。
使用時のポイント
複数回使用する場合は、上層の紙を都度交換し、シーツは飽和前に新しいものに入れ替えることが重要です。
飽和状態を放置すると吸水速度が低下し、臭いが漏れやすくなります。
また、長時間密閉する場面では、重曹や消臭ビーズを少量振りかけることで、アンモニア臭を中和できます。
環境省のガイドラインによると、災害時の簡易トイレ管理では「中和・吸収・密閉」の三段階を徹底することが臭気対策の基本とされています(出典:環境省「災害時のトイレ衛生管理指針」)。
運用例
避難所や車中泊などでは、臭いを抑えるために密閉容器と組み合わせて使うのが効果的です。
バケツ型トイレや段ボール型トイレの底にシーツを敷き、使用後は即座に袋を結ぶことで、空間全体の臭気レベルを大幅に軽減できます。
密閉時間が長い場合でも、シーツ内のポリマーが臭いの原因物質を内部に閉じ込めるため、環境を快適に保つ助けになります。
新聞紙を使って吸水性を高める方法

新聞紙は、簡易トイレの吸水材として古くから利用されており、特に入手の容易さとコスト面の優位性が際立ちます。
繊維構造が水分を保持し、表面積が広いため、少量でも高い吸収効果を発揮します。
さらに、揉み込むことで内部に空気層ができ、吸収速度が向上するという特性があります。
効果的な使い方
1 新聞紙を10cm角程度に細かくちぎり、手で軽く揉んで空気を含ませます。
2 ゴミ袋の底に層を作り、その上にもう一層新しい紙を重ねることで、固形物と液体の処理がしやすくなります。
3 使用後は上層の紙を包み込むようにして袋を結び、二重袋で密閉します。
液体が漏れ出すのを防ぐため、外袋の底にも新聞紙を1から2枚敷いておくとさらに安全です。
注意点と衛生対策
濡れた新聞紙は強度が著しく低下し、持ち上げる際に破れやすくなります。
そのため、処理時は袋の口をしっかり絞ってから廃棄してください。
また、印刷インクの付着を避けたい場合は、上層にキッチンペーパーやトイレットペーパーを一枚敷くと安全です。
特に小さな子どもや高齢者が使う際には、インク成分による皮膚刺激を防ぐ工夫が必要です。
新聞紙の再利用は、環境負荷を軽減する観点からも有効です。
日本製紙連合会の報告によると、新聞用紙のリサイクル率は95%以上と高く、廃棄後も再資源化されやすい素材です。
このため、災害時などでも持続可能なトイレ運用を実現できます。
牛乳パックを再利用した簡易トイレの作り方

牛乳パックは内側がポリエチレンでコーティングされているため、水分を通しにくく、使い捨てトイレ用の小型容器として応用できます。
1 Lサイズのパックを再利用すれば、子どもや高齢者向けの臨時トイレ・嘔吐袋・汚物受けに活用できます。
作り方
1 牛乳パックを縦に開き、トレー状にします。
2 内側にポリ袋を被せ、口をテープで固定します。
3 使用後は袋を外し、結んで処分します。
パック自体は軽く水で洗えば数回再利用も可能です。
特徴と応用
パックの耐水構造により、液体が染み出す心配が少なく、コンパクトに折りたためるため携帯性にも優れています。
外出時やドライブ中に携帯しておくと、急な体調不良や子どもの排泄時にも即座に対応できます。
また、牛乳パックをいくつかまとめておけば、家族分のトイレセットを省スペースで用意できます。
材料と用途の目安(概略比較)
| 材料 | 主用途 | 強度の目安 | 防臭のしやすさ | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| ダンボール | 本体枠 | 中 | 中 | 補強で座りやすさ向上 |
| バケツ | 本体兼容器 | 高 | 高 | フタで密閉しやすい |
| ペットシーツ | 吸水 | 中 | 中 | 厚手で交換回数を削減 |
| 新聞紙 | 吸水補助 | 低 | 低 | ちぎって嵩増しに有効 |
| 牛乳パック | 受け皿補助 | 低 | 低 | 携帯用の臨時用途に |
この比較表からも分かるように、ダンボールやバケツは構造体としての強度に優れ、新聞紙やペットシーツは吸収・防臭性能を補う役割を持ちます。
牛乳パックはその中間的な存在で、携帯性と即時性に優れたサブツールとして最適です。
簡易トイレの作り方で100均で非常時に役立つ工夫
災害や停電、断水といった非常時には、限られた資源の中で衛生をどう保つかが大きな課題になります。
特にトイレ環境の確保は、快適さだけでなく健康維持にも直結する重要な要素です。
100均グッズや身近な素材をうまく活用すれば、専用の防災用品がなくても、十分に機能する簡易トイレを作ることができます。
ここでは、凝固剤の使い方や代替方法、自衛隊の現場で応用される衛生管理の工夫、車内やキャンプで役立つ運用のポイントなど、実際に役立つ知識を体系的に解説します。
非常時にも慌てず、安全で清潔に使えるトイレづくりの工夫を学びましょう。
凝固剤を使った処理とおすすめの使い方

簡易トイレの性能は、廃棄までの衛生性と取り扱いの容易さで評価できます。
凝固剤は水分をゲル状に変化させ、袋内での液体の移動や飛散を抑えることで、臭気の立ち上がりと漏えいのリスクを同時に低減します。
一般的な製品は高分子吸水体(高吸水性ポリマー)を主成分とし、尿などの水分を素早く取り込み、ネットワーク構造内に固定します。
こうした物理的封じ込めは、におい成分の拡散を抑制する点でも有利です。
使用手順はシンプルでも、前処理の工夫で確実性が高まります。
袋の底面に少量の凝固剤を先に広げておくと、使用直後から吸収が始まり、液面の揺れや側壁への付着を抑えられます。
排泄後は追加量を全体にまぶし、袋内の空気を抜いて口を固く結びます。
結んだ袋はもう一枚の外袋に収め、さらに消臭袋で封緘すると、持ち運び時の臭気拡散と破袋のリスクを抑えられます。
屋外や車内では温度変化や揺れによって液体が再分散しやすいため、固化を待つ時間を数分確保し、安定化を確認してから移動すると安全です。
安全衛生の観点では、粉末の吸い込みや皮膚・眼への付着を避ける配慮が求められます。
一次刺激を避けるため、使い捨て手袋とマスクを併用し、投入時は袋の口を小さめに開き静かに散布します。
作業後は手洗いと周辺の拭き掃除で残留粉末を除去します。
避難環境ではトイレ周辺の照明、目隠し、手指消毒の確保が総合的な衛生維持に直結します。
なお、避難所運営におけるトイレの確保・管理では、設置場所の安全性、夜間照明、転倒防止、消毒・消臭資材の準備などが基本事項とされています(出典:内閣府 防災「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン)。
凝固剤の保管は湿気と高温を避け、未開封の個装を優先してローテーション管理します。
長期保管では外袋の劣化や粉末の固結が起こり得るため、パッケージ表示の使用期限と保管条件を確認し、定期的に状態を点検すると安心です。
以上のように、先撒き・密閉・二重化という基本動作を徹底することで、家庭でも避難先でも安定した運用が可能になります。
簡易トイレの凝固剤の代わりになるものは何ですか?

専用品を備蓄できていない場面では、身の回りの吸水材を組み合わせる代替策が現実的です。
代替の軸は、吸水・保水・臭気抑制という三要素のどれを満たせるかで判断できます。
紙おむつやペットシーツは高吸水性ポリマーを内蔵し、液体を素早く取り込む設計であるため、袋の底に敷くだけでも凝固剤に近い吸収挙動が得られます。
おむつは外装を切り開き、吸収体を適量にほぐして使用すると、表面積が増えて反応が速くなります。
猫用砂は鉱物系と紙系で特性が異なります。
鉱物系は固まりの強度が高く、塊として回収しやすい一方、重量が増しやすい点に留意が必要です。
紙系は軽量で処分がしやすく、密閉袋と合わせることで家庭ごみとして扱いやすくなります。
重曹はアンモニア臭の中和に寄与するとされ、新聞紙は嵩増しと拡散抑制に役立ちますが、単体では保水性能に限界があるため、ペットシーツなどと併用したほうが運用が安定します。
粉体や微細繊維を扱う際は、投入の瞬間に粉じんが舞い上がらないよう、袋の口を小さく保ち、ゆっくりと振り入れます。
車内やテントなど密閉空間では、投入直後に静置時間を設けて吸収を完了させ、結束・二重袋・消臭袋の順に封緘します。
衛生面では、使い捨て手袋とマスク、ウェットティッシュの常備が効果的です。
要するに、最優先は専用凝固剤の備蓄ですが、次点としておむつやペットシーツ、状況に応じて猫用砂や重曹・新聞紙を組み合わせる順番が、調達性と処理性の両面で合理的だと考えられます。
自衛隊で採用される簡易トイレの工夫

大人数・長時間・限られた資機材という条件下では、機材そのものより運用設計が成否を左右します。
現場運用の基本は、汚物を容器に直接触れさせないライナー運用、作業導線の一方通行化、密封と集積の分離、そして照明・目隠し・手指消毒の三点セットの常時確保です。
これらは家庭や地域の防災訓練にもそのまま応用できます。
まず、ライナー(二重袋)方式は本体汚染を避け、交換時間を短縮します。
使用後の袋は結束して集積点へ移送し、本体は最小限の清掃で回転運用が可能になります。
夜間や悪天候では、個室内と導線上のライト配置を事前に決め、転倒防止のために固定具を併用します。
個室の施錠、侵入防止、女性・子ども優先列などの配慮も、混雑時の混乱や不安を減らします。
資材面では、消毒液、専用履物、掃除道具、予備の袋と吸水材、臭気対策資材を小分けでパッキングし、交替要員が補給しやすい配置にします。
設置場所は暗がりや風の通り道を避け、騒音やにおいが居住区画へ流入しにくい風下側に計画します。
これらの留意点は、避難所運営の実務でも基本事項とされており、夜間照明、転倒防止、施錠可能な個室、手洗い・消毒資材の準備などが推奨とされています(出典:内閣府 防災「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」)。
家庭への落とし込みとしては、バケツ本体は汚さず内袋だけを交換する方式、導線を簡易パーテーションで区切る工夫、夜間用の小型ランタン常備、消毒・清掃手順の掲示化などが実践しやすい対策です。
以上の点を踏まえると、設備の選定と同じ程度に、導線・照明・衛生資材・集積手順の設計が快適性と衛生水準の維持に直結すると言えます。
車内で使える簡易トイレの作り方と注意点

車中泊や長距離移動、災害時の避難生活では、トイレ問題が最も深刻な課題の一つです。
特に渋滞や停電時、また高速道路上での停車時には、外部トイレの利用が難しい場面も想定されます。
こうした状況に備え、車内用の簡易トイレを常備しておくことは極めて実践的な防災対策です。
組み立てと設置の基本
使用するのは、10から15L程度のバケツ、または折りたたみ式便座とポリ袋の組み合わせです。
バケツを使用する場合は、口径に合った袋を二重にかけ、縁を外側に折り返してテープで固定します。
袋がずれにくくなるため、液漏れや汚れのリスクを大幅に減らせます。
設置場所はできるだけ水平な床面を選び、足元には滑り止めマットを敷きます。
夜間はランタンやヘッドライトを手元照明として併用し、停車時にはハザードランプと三角表示板を設置して安全を確保します。
衛生と臭気対策
車内は密閉環境であるため、臭気の拡散防止が必須です。
排泄後は凝固剤をすぐに投入し、数分で液体をゲル化させます。
その後、袋を結んで二重化し、さらに消臭袋に入れてから密閉コンテナ(蓋付き収納箱など)に収納します。
短時間であっても、密封工程を怠ると車内の温度上昇によって臭いが強くなる可能性があります。
また、車内換気を兼ねて窓を2から3cm程度開けておくと、湿度と臭気の滞留を防げます。
感染症予防の観点から、使用後は手指消毒剤またはウェットティッシュで清拭し、換気後に車内温度を下げてから収納するのが望ましい運用です。
保管と廃棄の流れ
使用後の袋は、一時的に車内で保管する場合でも「密閉二重化+消臭袋」を徹底します。
移動後は、地域の廃棄ルールに従って可燃ごみとして廃棄可能ですが、災害時は仮設回収所や自治体指定の衛生ゴミ回収ルートに出すことが推奨されています。
こうした運用は、国土交通省や内閣府が公表する「車中泊避難時の衛生管理指針」にも一致しています。
猫用砂やオムツを活用した代替アイデア

専用の凝固剤が手元にない場合でも、家庭にある吸水性素材を組み合わせることで、一定の衛生性を確保することが可能です。
特に猫用砂や紙オムツは、高吸水性ポリマー(SAP)を多く含んでおり、水分を瞬時にゲル化させる点で凝固剤と同様の作用を持ちます。
猫用砂の特性
猫用砂には「鉱物系」「紙系」「シリカゲル系」があります。
鉱物系(ベントナイトなど)は固化力が高く、使用後に塊として簡単に処理できますが、重量があり、廃棄時に負担が増えます。
紙系は軽く、処分が容易なうえ、可燃ごみとして扱える場合が多いため、避難生活やキャンプにも適しています。
シリカゲル系は脱臭性に優れますが、粉塵が出やすいため、密閉環境では扱いに注意が必要です。
粉塵対策として、投入時は袋の開口を狭くし、静かに振り入れるようにします。
呼吸器への影響を避けるため、マスクやフェイスカバーの着用も推奨されます。
オムツの再利用
紙オムツは内部に高吸水性ポリマーを含み、重量の数十倍の液体を吸収します。
使用時は外装をハサミで開き、中の吸収層を適量取り出して袋の底に敷きます。
繊維状の構造が液体を素早く拡散するため、表面がベタつきにくく、臭いの発生も抑制されます。
ただし、吸収材の飛散を防ぐために、袋の底に薄い新聞紙やティッシュを敷いてから吸収材をのせると安定します。
オムツ素材のポリマーは湿度で劣化するため、未使用分を保管する際は密閉袋に入れ、直射日光や高温を避けることが大切です。
実用的な組み合わせ
1 猫用砂(紙系)+重曹:軽量で中和効果があり、短時間の使用に適する。
2 オムツ吸収体+新聞紙:吸収性と拡散性を兼ね備え、臭い漏れが少ない。
3 ペットシーツ+猫砂:多層構造で液体の再分散を防止できる。
このように、専用品が手に入らない場合でも、複数の素材を組み合わせることで吸水・固化・防臭を一定水準で実現できます。
災害時に家庭内資材を最大限活用することは、実用性と持続可能性の両面で有効な対応策です。
キャンプでも役立つ簡易トイレの作り方

自然環境下でのトイレ利用は、衛生面だけでなく環境保護の観点からも重要です。
キャンプ場では利用ルールが定められており、特に「携帯トイレ使用」や「持ち帰り厳守」を求める場所が増えています。
ルールを順守しながら快適に過ごすためには、携帯トイレの正しい設置・使用・廃棄方法を理解しておく必要があります。
設置場所の選定
テントや就寝エリアから少し離れた風下に設置します。
周囲の視線を遮るため、タープや布で目隠しスペースを作ると安心です。
地面が柔らかい場所では、バケツや折りたたみ便座を安定させるために板や厚手のマットを敷きます。
傾斜のある地形では転倒防止のために滑り止めを併用します。
衛生管理と持ち帰り
使用後は凝固剤で固化し、密閉袋に入れて持ち帰ることが原則です。
キャンプ場では自然分解を目的とした埋設行為は禁止されている場合が多く、環境省も「野外排泄の禁止と携帯トイレの利用」を推奨しています(出典:環境省 自然公園利用マナーガイド)。
また、水が不足する場合でも、ウェットティッシュと速乾性消毒剤をセットで携帯することで、手指衛生を確保できます。
家族・子ども・高齢者対応
小さな子どもや高齢者には、座面の安定性が高いバケツ型が扱いやすく、転倒のリスクが低減します。
夜間使用時は、照明の位置を工夫して影を作らないようにすることで、安心感が高まります。
さらに、トイレ用の簡易テントを用意すれば、プライバシーと衛生性を両立できます。
このように、キャンプでの簡易トイレ運用は「自然環境への配慮」「衛生維持」「安全確保」の三要素を軸に設計することが求められます。
正しい手順を踏むことで、快適で持続可能なアウトドア体験が実現します。
【まとめ】簡易トイレの作り方で100均について
最後に本記事で重要なポイントをまとめます。
