犬用車椅子の作り方を知りたいと考えている方に向けて、本記事では自作・手作りの方法を中心に詳しく解説します。
100均で揃うアイテムを使った手軽な製作法から、キャスターの取り付け方、前足や後ろ足をサポートするための構造の工夫まで、実用的な情報を網羅しています。
また、柴犬やミニチュアダックスなど犬種に合わせた調整方法や、犬の後ろ足の車椅子を手作りする際の注意点も取り上げています。
さらに、4輪タイプの作り方や大型犬対応の設計、歩行器を簡単に作るためのアイデアも紹介。
購入を検討している方向けには、レンタルやオーダーメイドの値段、信頼できるメーカー情報、「譲ります」などの選択肢についても触れています。
初めての方でも安心して取り組めるよう、ステップごとにわかりやすくまとめているので、ぜひ参考にしてください。
■本記事のポイント
- 犬用車椅子を自作するための材料と手順
- 100均アイテムを活用した手作り方法
- 前足・後ろ足のサポート構造の工夫
- 購入・レンタル・オーダーメイドの選び方
犬用車椅子の作り方|自作で始める方
犬の歩行が難しくなってきたとき、自分の手で補助器具を作ってあげたいと考える飼い主は少なくありません。
特に犬用車椅子は、正しい作り方さえ知っていれば、市販品よりもコストを抑えながら愛犬にぴったりのサイズで用意することが可能です。
この章では、初めての方でも取り組みやすい「自作」の基本として、必要な材料や100均アイテムの活用法、さらにフレームの構造やキャスターの取り付け方などを詳しく解説していきます。
あなたの手で、愛犬の新しい一歩を支えてみませんか?
自作に必要な材料一覧
自作で犬用車椅子を作るとき、結論から言えばシンプルな材料だけで数千円程度で用意可能です。
理由は構造が簡単で、水道用塩ビパイプや継手などがあれば基本的に組めるためです。
たとえば、水道用13mmの塩ビパイプ、T字・L字の継手、塩ビパイプの先端キャップ、ナット付きZボルト、ワッシャー、緩み止めナット、自転車の補助輪、ナイロンテープ、塩ビ用ボンド、パイプカッターなどが最低限で揃います。
具体的に例を挙げると、自作事例では“塩ビパイプ×継手×自転車補助輪”という組み合わせで、材料費3,000から4,000円程度で完成させています。
接合にはボルト・ワッシャー・ナットなどを使い、体重や動きの安定性を確保します。
また、胴体を支えるにはナイロンテープや面ファスナーなどを用いて調整可能なベルトを作ると良いでしょう。
注意点としては、継手の口径やメーカー混在に注意が必要です。
違うメーカーの継手だと隙間ができたり、寸法ミスで枠が歪む可能性があります。
そのため購入前に必ず口径をチェックし、パイプと継手が問題なく噛み合うことを確認しましょう。
手作りするなら100均アイテム活用法
100均の材料だけで犬用車椅子を作ることも可能で、費用を1,000円以下に抑えることもできます。
これは結論として、花台やワイヤーネット、キャスター付き台、結束バンド、ベルクロ、クッション素材など、100円均一で揃う品ばかりだからです。
具体例を述べると、ダイソーで揃えられる材料で小型犬用の車椅子を作った事例では、角形花台(キャスター付き)、ワイヤーネット、便利ベルト、結束バンド、クッションなどで構成され、体重5から6kg程度の犬でも安定して使えたという報告があります。
一方で、100均素材には耐久性や強度の限界がある点を忘れてはいけません。
軽度なリハビリや室内での補助用途には適しているものの、外での散歩や長時間の使用には不向きです。
滑り止めやクッション補強を追加して使用時の犬の負担軽減を図る工夫が求められます。
まとめると、100均DIYはコスト重視でまず試したい方にぴったりですが、犬の体重や用途に応じて材料選びや強度面の確認を怠らないようにしてください。
塩ビパイプで作る犬用車椅子のフレーム構造
まず、犬用車椅子の骨格は塩ビパイプを使うと比較的軽くて扱いやすく、安価に揃えられます。
T字・L字などの継手で組み合わせるだけで、犬の体型に合わせたフレームができます。たとえば、13から25mm径の塩ビパイプとT字・L字継手を使えば、犬のサイズに合った四角い枠が簡単に作れます(塩ビ用接着剤で接着すれば強度も十分です)。
具体的な工程として、まずパイプを犬の体高に合わせてエンビカッターで切断します。
このとき、仮組みしながら少し長めに切っておき、後で微調整するのがコツです。
仮組みの段階で高さや前後のバランスを犬に合わせて確認し、問題なければ接着剤で固定します。
また、構造的な安定性を確保するため、前後左右に3から4本のパイプを渡して補強しましょう。
これにより、犬が歩いた際のグラつきを抑えられます。
さらに注意すべきは犬の首から胸にかけて干渉しないよう高低調整することです。
一方で塩ビは硬く、折れやすい性質を持つため、大型犬や外での使用には限界があります。
その場合は、接合部にスチールジョイントやステンレス金具を使う補強がおすすめです。
こうすることで、塩ビの限界を補い、安全性を高められます。
キャスター取り付け手順
キャスター取り付けでは、回転自在で耐久性のある金属製が最適です。
プラ製はすぐ壊れる可能性が高いため、金属/ゴムタイヤ仕様のキャスターを選びましょう。
室内の段差を考慮すると直径50から75mmのサイズが一般的で、75mmなら外散歩も安心です。
取り付け手順は以下の通りです:
キャスター取り付け位置をフレームにマーキングします。
前後輪の中心が犬の関節位置と一致するように調整し、特に後ろ足は関節の真下に来ると安定します。
パイプに垂直な穴をドリルで開け、キャスター軸がスムーズに通るよう下穴も整えます。
キャスターを軸とワッシャー、ナットで固定し、緩み止めも忘れずに締めます。
ストッパー付き自在キャスターを前輪に使い、後輪は固定キャスター(YKR-75など)にすることで、横滑りせず直進しやすくなります。
固定後はビニールテープやキャスタースパナでしっかり締めて、テープでさらに回り止めするのが有効です。
この方法により、360度回転の自在性とストッパー付きの安定性を両立させられます。
とはいえ、金属部品は重くなりがちなので、バランスと軽量化とのトレードオフも考慮しましょう。
レンタルはあるのか
はい、犬用車椅子にはレンタルサービスがあります。
はな工房やわんケア、わんワークなど複数の専門店が、オーダーメイド車椅子のレンタルを提供しており、一時的な利用に適しています。
たとえば、はな工房では小型犬用三輪車椅子を初期費用1万8,700円(税込)、月額3,960円(税込)でレンタルでき、全国対応かつ採寸から最短3日で発送可能です。
わんケアや楽天市場でも、4輪や2輪タイプの車椅子が取り扱われており、前脚・後脚の弱った犬にも対応しています。
レンタルを利用するメリットは、コストを抑えて試せる点と、愛犬のサイズや症状に合うか確かめやすい点にあります。
ただし、送料や身分証明書提出が必要で、製作後のキャンセルには手数料が発生します。
中には中古部品を使用している場合もあって、気に入ればその後購入への切り替えが可能なケースもあります。
とはいえ、レンタル品は使用感や汚れがある可能性があるため、清潔さに注意したい方は購入も検討したほうが安心です。
犬の歩行器の作り方は簡単なのか?
犬の歩行器を手作りするのは、基本的な道具が揃えば比較的簡単にチャレンジ可能です。
なぜなら、構造がシンプルで塩ビパイプやワイヤーネット、キャスター、クッション素材など100円ショップでも揃う材料で作れるからです。
実際に工具不要で作成できた例もあり、イレクターを使った簡易歩行器は専門知識がなくても制作できると報告されています。
具体的には、胴体を支える枠を作り、布やマットで体を保持できる部分を作り、脚を通す穴をつけるといった流れです。
レビューでは蒸気で塩ビパイプを曲げて四輪仕様にする工夫や、カーテン生地を利用したクッション付き保持パッドの作成法も紹介されています。
ただし、注意点も少なくありません。
手作りの場合、耐久性や安定性が市販品に劣ることがあります。
特に大型犬や屋外長時間利用を念頭に置く場合は、接合部の補強や素材選びに工夫が必要です。
また、医学的サポートが不十分になるリスクもあるため、獣医師や専門家への相談と、愛犬の体調を見ながら段階的に使用することが大切です。
犬用車椅子の作り方|前後足対応設計法
犬の身体状況は個体によって異なり、後ろ足だけでなく前足にもサポートが必要なケースは少なくありません。
また、年齢や疾患によって左右両方の足に負担がかかることもあります。
そこで重要になるのが、犬の前足・後ろ足それぞれに最適な構造で設計することです。
この章では、負担を軽減しながら快適に歩行を補助できる前後足対応の車椅子設計について、手作りでも実践できる具体的なアイデアや工夫を交えて解説していきます。
前足サポート設計のコツ
犬用車椅子で前足を支える場合、前足が自然に地面を蹴り出せる角度と高さに設計することが非常に重要です。
理由は、適切な角度でないと、前足がフレームに当たって痛がったり、逆に負担がかかって関節を痛める可能性があるためです。
たとえば、犬が立った状態で車椅子に乗る位置を確認し、前足付け根から少し先にサポートバーが来るよう寸法を決めます。
さらに、バーには**柔らかいパッド素材(スポンジやクッション)**を巻いて衝撃を吸収しながら摩擦を軽減すると使いやすくなります。
サイズ調整を容易にするため、マジックテープやベルクロ留めの位置調整ベルトを採用するのもおすすめです。
注意点は、タイプによっては前足が吊り上がってしまうと歩行がぎこちなくなるため、装着後には必ず試走させてテストし、犬の反応を見ながら微調整を行いましょう。
後ろ足用DIYポイント
後ろ足サポートのDIYでは、足袋(ストッキング型ホルダー)や巾着スタイルをフレームに吊るす方法が多く使われています。
これは、動かなくなった後ろ足を地面から少し浮かせることで、摩擦や怪我を防ぎながら安定した歩行を目指すためです。
具体的には、後ろ足の付け根位置をフレームに合わせ、巾着状のサポートを垂直に吊り下げ、その下に足が自然に収まる設計にします。
ストック状のホルダーには、伸縮性素材や柔らかな布地を選び、犬が歩いている途中で擦れて痒がらないよう縁部分にパイピング処理するとよいでしょう。
また、高さ調節は必須で、地面と後ろ足との距離を常に1から2cm開けて設計することで足裏が着かず快適に歩けます。
注意点としては、吊るしすぎると足が固まってしまうため、最初は少しずつ高さを調節しながら、犬の歩きやすさを確認しつつ設計を進めることが大切です。
後ろ足車椅子を手作りで負担軽減
犬の後ろ足をサポートするDIY車椅子は、適切な設計で足への負担を大幅に軽減できます。
一般に、後ろ足が麻痺している場合は吊りホルダーや足袋のようなデバイスを用いて、足が地面に擦れたり引きずられたりしないよう工夫します。
具体的には、布製の巾着型ホルダーをフレームに吊り下げ、足の付け根付近を優しく支える設計が多く報告されています。
これにより、腰や背中の余計な負荷を避けつつ、自然な姿勢で歩く補助ができます。
例えば、あるユーザーは巾着に緩衝材入りのナイロンを使用し、足が安定するように調整可能なコードロックを取り入れて柔軟な支持を実現しました。
このように高すぎず低すぎず、地面から1から2センチ程度浮かせることで、足先が擦れて傷つかず、摩擦によるストレスも減ります。
その際、犬の動きを観察しながら数ミリ単位で高さ調整することが重要です。
注意すべき点は、吊りすぎると歩行が不自然になり、筋力が落ちるリスクがあるため、段階的な調整と犬の歩行チェックを必ず行うことが推奨されます。
4輪&大型犬対応ピックアップ
4輪仕様のDIY車椅子は、前後両足または全体の安定サポートが必要な犬に特に有効です。
これは、両前足と後ろ足が弱っている犬や大型犬、高齢犬に適しており、最低限の力で歩行を補助できるためです。
さらに、大型犬の場合は塩ビパイプでは強度不足になりやすいため、イレクターパイプやアルミパイプを使った骨格設計が推奨されます。
具体的な作り方は、まずイレクターパイプと専用ジョイントでフレームを組み立て、接合部にはボルト固定を併用することで耐久性を強化すると良いでしょう。
タイヤには自転車用の大径タイヤを取り入れ、段差や凹凸道にも対応できる設計が可能です。
その後、フレームに巾着式ホルダーや胴当てベルトを追加し、犬が乗り降りしやすいよう下から乗せる設計にすると使いやすさが増します。
この方法なら、大型犬でも比較的簡単に乗せられる設計となります。
注意点としては、4輪構造は扱いに慣れが必要で、室内や狭い場所での旋回がしづらいことがあります。
また、大型犬では骨格重量が重くなりがちなので、軽量素材の選定や補強パーツの工夫が不可欠です。
とはいえ、慎重に設計すればDIYでも十分な安定性とサポート力を兼ね備えた大型犬用車椅子を作ることができます。
オーダーメイドの値段はどれくらい?
オーダーメイドの犬用車椅子は、小型犬でおおよそ3万から6万円、中型犬で3.6万から7.5万円、大型犬では5万から10万円ほどが相場です。
たとえば、神奈川「クララワークス」では小型犬2輪タイプが2.5万円、中型犬で3.6万円、大型犬4輪タイプが9.1万円からとされています。
また、北海道の「もえれ製作所」でも小から中型犬用は6万から7.5万円、大型犬はオーダー扱いで価格変動ありと明記されています。
人気の「れいんぼーCART」では、チワワなど超小型犬の2輪が3.5万円、4輪は4.5万円とされ、いずれも税込価格を基準に紹介されています。
さらに、専門店「工房スイーピー」では、小型犬が2.1万円から、中型犬は2.55万円、大型犬は4.2万円からとなっており、試乗対応も可能です。
注意すべき点は、精密な採寸や成長対応、オプション(車輪変更やストッパーなど)によって追加費用が発生することです。
わんワークでは2輪から4輪への変更に2.4万から3.1万円のカスタマイズ費がかかると明記されています。
このように、基本料金+採寸・カスタマイズ費用を踏まえた予算設定が必要です。
まとめると、「小型犬なら3から4万円、中から大型犬では5から10万円を目安」とし、各社の採寸やオプション費用を加味して選ぶと安心です。
犬用の車椅子のメーカーについて
日本には犬用車椅子専門のメーカーが多数存在し、それぞれに特色と価格帯があります。
代表的なものとして以下が挙げられます。
はな工房(全国対応/レンタル・販売):小型犬~大型犬まで対応し、レンタル初期費用1.1万~1.65万円+月額2.8千~5.2千円で利用可能。
わんワーク(大阪・高槻):アルミ製で軽量、2輪/4輪タイプをオーダー可能。
2輪→4輪変更などカスタムにも対応。
工房スイーピー(大阪):小型犬2.1万円~、中型2.55万円~、大型4.2万円~。
試乗&無料相談あり。
クララワークス(神奈川):「クララカート」シリーズで2輪・簡易4輪タイプを用意。
小型2.5万から、大型4輪9.1万円~。
もえれ製作所(北海道):価格は小型6万円、中型6.28万~7.5万円、大型は個別見積もり。
天使の車輪:ポップなカラーが特徴で、2万円台からと比較的抑えた価格設定。
れいんぼーCART(愛知・福岡訪問採寸可):完全オーダーメイド、2輪35,000円~、4輪4.5万円~。
各社ともにアルミや軽量素材を使用し、採寸・カスタム対応が可能です。
一方で、地域性や試乗の有無、納期(数日~1ヶ月と幅広い)など差があるため、利用前に確認することが大切です。
あなたの愛犬のサイズ・歩行状態・予算を踏まえ、複数社を比較検討することをおすすめします。
【まとめ】犬用車椅子の作り方について
最後に本記事で重要なポイントをまとめます。
- 基本材料は塩ビパイプと継手で数千円の予算で揃う
- 自転車補助輪を活用すると安定性が向上する
- フレームは犬の体型に合わせて仮組みしながら作成する
- 接合部はパイプと継手のメーカーを統一するのが望ましい
- ナイロンテープや面ファスナーで胴体ベルトを自作できる
- 100均アイテムでも軽量な簡易車椅子が作れる
- 室内用にはキャスター付き花台やワイヤーネットが使える
- 100均製は耐久性が低く屋外使用には不向き
- 塩ビパイプは軽量だが大型犬には強度が不足しがち
- 大型犬にはイレクターパイプやアルミ製フレームが適している
- キャスターは金属製でストッパー付きが操作性に優れる
- キャスター取り付け位置は関節の真下を意識して設計する
- 後ろ足サポートには巾着型のホルダーが使いやすい
- 前足対応には蹴り出しやすい角度とパッドの工夫が必要
- 犬用車椅子はレンタルもあり短期利用に向いている
- オーダーメイドは小型犬で3万円台から注文できる
- 国内には多数の専門メーカーがあり試乗対応も充実している