冬になると窓の結露に悩まされ、朝からサッシやカーテンの水滴拭きに追われてしまう人は多いです。
そんなときまず思い浮かぶのが、手軽に試せる100均の結露防止シートではないでしょうか。
セリアやキャンドゥ、ダイソーには、貼るだけで結露を抑えたり、窓からの冷気を減らしたりできるアイテムが並んでいます。
ただ、実際の効果がどの程度なのか、どれを選ぶべきか分からず迷ってしまうこともあります。
特にダイソーの結露防止スプレーや、セリアの窓断熱シートなど、種類が多くて比較が難しいと感じる人もいるはずです。
ニトリやホームセンターの本格的な断熱・結露対策アイテムとどう違うのかも気になるところです。
さらに、結露防止シートの代用になるものは何か、プチプチで結露防止はできますかという疑問や、冬に結露させない方法はありますかと具体的な悩みを持つ人も少なくありません。
この記事では、こうした疑問に寄り添いながら、100均アイテムからニトリやホームセンターの商品まで、目的別におすすめの使い方と選び方を整理して解説していきます。
■本記事のポイント
- 主要100均ごとの結露防止シートや関連グッズの特徴
- ダイソーの結露防止スプレーやセリアの窓断熱シートの上手な選び方と使い方
- ニトリやホームセンター商品と100均アイテムとの使い分けの考え方
- プチプチなどの代用品や、冬に結露させないための基本的な対策
100均の結露防止シートの選び方
100均の結露防止シートとひと口に言っても、セリア・キャンドゥ・ダイソーでは、デザインも機能もかなり違います。
見た目を重視したいのか、とにかく結露量を減らしたいのか、はたまた掃除の手間を減らしたいのかによって、選ぶべきアイテムは変わってきます。
この章では、セリアとキャンドゥの特徴から、ダイソーの豊富な結露対策グッズ、スプレータイプの使い分け、さらにセリアの窓断熱シートやホームセンター品との比較まで順番に整理しながら、失敗しにくい選び方のポイントを具体的に解説していきます。
セリアとキャンドゥの比較

セリアとキャンドゥは、いずれも日常使いしやすいデザイン性と価格帯を維持しつつ、結露防止や断熱を手軽に実現できるアイテムを数多く展開しています。
両者の製品は雰囲気や用途に明確な違いがあるため、比較することで自宅の窓環境に最適なシートを選びやすくなります。
まずセリアでは、雪柄・アニマル柄・カーテンタイプなど、デザインバリエーションが非常に幅広いことが特徴として挙げられます。
室内の雰囲気を壊さず、むしろ装飾として楽しみながら結露対策に取り組める点が評価されています。
また、薄手のためカットがしやすく、小窓や浴室横の細いガラス部分など、一般的な住宅で扱いづらいサイズにも対応しやすい点が実用面の強みです。
一方でキャンドゥは、カフェ風ラインアートやシンプルな淡色柄など、視界の透け感をほどよく残したデザインが多い傾向があります。
外からの視線を適度に遮りながらも、室内に閉塞感を与えにくい構造が採用されており、採光を確保したいリビングやダイニングの窓との相性が良いとされています。
両者に共通する特性として、次のようなポイントが挙げられます。
●薄手でカットしやすく、貼り付け作業が比較的容易
●デザイン重視の商品が多いため、断熱と目隠しを同時に狙える
●両面テープやマスキングテープなどの固定アイテムを別途用意する必要がある場合がある
ただし、専門メーカーやホームセンターで販売されている厚手の本格断熱フィルムと比較すると、熱伝導性の低減効果や結露抑制の持続性では劣るケースもあります。
住宅の構造や窓の材質(アルミサッシ・樹脂サッシなど)、外気温の下がり方など環境要因によって、100均シートの性能が左右されやすい点も理解しておくと選び方の精度が高まります。
そのため、インテリア性や導入のしやすさを優先する場合はセリアやキャンドゥ、長時間の断熱効果や耐久性を優先したい場合は、後述するニトリやホームセンターの厚手シートとの併用も検討すると、よりバランスの取れた対策を構築しやすくなります。
比較の目安
| 項目 | セリア | キャンドゥ |
|---|---|---|
| デザイン性 | 雪柄・アニマル柄・カーテンタイプなどが豊富 | カフェ風ラインアートなど目隠しとおしゃれを両立 |
| 主な役割 | 断熱+結露抑制+目隠し | 断熱+目隠し |
| 貼り方の手間 | 切ってテープで貼るタイプが中心 | 同様にユーザーがテープ等で固定 |
| 向いている人 | 柄で選びたい人、小窓メインの人 | インテリア性と目隠しを重視する人 |
デザインを楽しみながら軽い断熱を実現したい人にはセリアやキャンドゥが適しており、結露量が多い窓や寒暖差の大きい窓では、後述の高性能シートとの併用によってより快適な環境づくりが可能となります。
ダイソー活用の効果解説

ダイソーは100均のなかでも結露対策グッズの種類が群を抜いており、窓全面に貼る断熱タイプから、サッシの水滴を吸い取る吸水テープ、さらに掃除用途の結露取りワイパーまで、結露発生から処理までの一連のプロセスをカバーできる構成になっています。
結露対策を総合的に取り組みたい場合、ダイソーは特に選択肢の幅が広い点が際立ちます。
ダイソーの主な結露対策アイテム
●吸水テープ・吸水シート
●窓用断熱シート(柄物・透明タイプ)
●結露取りワイパー(ペットボトル併用タイプなど)
結露防止シートは窓ガラスに貼ることでガラス表面温度の低下を緩和し、空気中の水分が凝結しにくい状態をつくります。
科学的には、結露は空気中の水蒸気量が飽和して凝結点に達することで起こる現象であり、ガラス面が冷えやすい窓では特に頻繁に発生します。
そのため、ガラス面を断熱して温度低下を抑えることは、理論上も実用上も有効な対策の一つです。
吸水テープや吸水シートは、結露水が垂れた際にサッシ部分へ大量に溜まる水分を受け止め、カビや腐食の発生を抑える役割があります。
結露対策の専門解説でも、吸水シートや吸水テープによるサッシ保護は、冬季のカビ抑制に一定の効果があるとされています。
用途に合わせて組み合わせることで、ダイソー商品をより効果的に活用できます。
●窓全体の結露量を抑えたい → 窓用断熱・結露防止シート
●サッシの腐食やカビが気になる → 吸水テープを下部に設置
●すでに発生した結露をこまめに取りたい → 結露取りワイパー
単体で使うよりも、複数を組み合わせた方が結露対策の精度が高まるため、窓の結露状況を観察しながら必要なアイテムを追加する形が取り組みやすい方法です。
ダイソーの結露防止スプレー紹介

ダイソーの結露防止スプレーは、窓ガラスの表面に極薄の膜を形成し、水滴が粒状になりにくい状態を作ることで、目立つ結露を抑制する目的で用いられます。
ガラスの表面張力を変化させることで、結露の水滴が細分化され、垂れにくくなる仕組みが一般的に採用されています。
スプレータイプの特徴
●貼り付け作業が不要で、吹きつけて拭き広げるだけの簡易施工
●断熱フィルムとは異なり視界がクリアなまま維持されるため、景観を損ないたくない窓との相性が良い
●効果の持続期間は商品によって変動するが、一般的な市販品では数週間から約1か月程度とされている
スプレーは、窓ガラスが濡れる前に表面処理を施すことで効果を発揮します。
そのため、施工前にガラス面の油分や汚れをきれいに取り除くことが前提となります。
油膜が残ったまま使用すると、膜が均一に広がらず十分な性能を発揮しない可能性があります。
上手に使うためのポイント
●ガラスクリーナーなどで汚れと油分を落としておくこと
●加湿器を長時間稼働する環境や、室内外温度差が極端に大きい環境では、スプレー単体では効果が限定的になりやすい
●断熱シート、換気、除湿など複数の対策を組み合わせることで結露抑制効果を補強できる
スプレーは貼り付け作業を伴わず、短時間で効果を得やすい反面、根本的な断熱効果をもたらす製品ではありません。
窓そのものの温度を上げる機能はないため、結露が非常に多い窓の場合は断熱シートと併用することで、より安定した対策につながります。
セリアの窓断熱シート特徴

セリアが展開する窓断熱シートは、100均商品のなかでも特に種類が多く、利用シーンに応じて細かく選べる点が魅力です。
プチプチ状のバブルシート、柄入りの断熱フィルム、カーテンタイプの断冷シートなど、用途ごとに設計思想が異なるため、窓の形状や部屋の環境に合わせた導入がしやすくなっています。
バブルシートは、気泡部分に空気層が形成される構造になっており、空気は熱伝導率が低いことから、外気によるガラス面の冷却を抑える効果が期待できます。
これは、断熱材の基本原理である「空気層で熱を遮断する」メカニズムに基づいたもので、断熱材に多く採用されている手法と同一の考え方です。
例えば、一般に使用されるグラスウールも空気を含んだ繊維層で熱伝導を抑える素材であることが知られています(出典:国立研究開発法人 建築研究所「断熱性能に関する技術資料」)。
柄入りシートは、結露抑制と目隠し効果の両方を確保しながら、インテリア性を損なわない点が特徴です。
光を適度に取り込みつつ視線を遮るデザインが多く、日中も自然光を活かしたい部屋に向いています。
また、冬季によく見られる「窓際の温度差によるヒヤッと感」を緩和し、体感温度の改善にもつながりやすい点が消費者から支持されています。
さらに、カーテンタイプの断冷シートは、腰高窓や幅の広い窓にも使いやすく、既存のカーテンにプラスする形で導入できることから導入のハードルが低い商品として認知されています。
窓に直接貼り付けないため、賃貸物件でも使いやすく、取り外しが容易な点もメリットです。
貼り付け方法は比較的シンプルで、ハサミやカッターで窓に合わせて調整し、両面テープやマスキングテープで固定する仕様が主流です。
ただし、粘着力の強いテープを使う場合は、ガラス面やサッシへの糊残りが発生する可能性があるため、賃貸物件ではマスキングテープを下地に使う、窓枠側に貼るなど、跡を残さない工夫を取り入れることが推奨されます。
セリアの窓断熱シートは、「導入しやすさ」「デザイン性」「小窓への高い汎用性」を重視するユーザーとの相性がよく、特に初めて断熱シートを試す人や、気軽に室内環境を整えたい家庭から選ばれる傾向があります。
ホームセンター活用法

カインズやコメリなどのホームセンターでは、100均商品よりも機能性が高い断熱・結露防止シートが幅広く取り揃えられており、結露や冷気に強い窓環境を作りたい場合に多くの選択肢が得られます。
ホームセンター品は、厚手の構造や多層構造を取り入れており、断熱性能・耐久性の面で100均商品との差が出やすいことが特徴です。
厚手の断熱シートは、熱伝導率の高いガラス面から室内の暖気が逃げるのを大幅に抑制でき、冬場の暖房効率を上げる効果が期待されます。
熱の移動を抑えることで、暖房の稼働時間の減少につながる可能性があり、家庭内の光熱費を抑えたいユーザーにはメリットの大きい選択肢です。
また、ホームセンターでは飛散防止機能付きのフィルムも取り扱われており、これは地震や台風などの災害時に窓ガラスが割れた際、破片が室内に飛び散ることを防ぐことを目的とした製品です。
日本では気象庁の統計にある通り地震発生件数が年間を通して多く、住宅防災の観点からも飛散防止フィルムの導入は利用者の関心が高い分野となっています。
(出典:気象庁「地震情報データベース」)
さらに、90×180cmなどの大判サイズが多く、掃き出し窓やリビングの大型窓にも対応しやすいため、一般的な100均シートではサイズが合わない大きな窓や、結露量が多い窓向けに導入されるケースが増えています。
厚手タイプは素材の密度が高いため、結露水の発生頻度が下がりやすく、室内の温度ムラを軽減する効果も期待できます。
ただし、初期費用は100均より高くなる傾向があるため、すべての窓に導入するよりも「メイン窓だけホームセンター」「その他の小窓は100均シート」という使い分けが合理的です。
結露の出やすい窓、北側の冷え込む窓、リビングの大窓など、優先順位の高い窓を中心にホームセンター品を導入することで、費用対効果を最大化できます。
ホームセンター品は、長期的な快適性や耐久性を重視したい人に適しており、結露の量が多く毎年のトラブルに悩まされている家庭では、100均商品と比較して改善効果を感じやすい傾向があります。
100均の結露防止シートの活用術

100均の結露防止シートは、貼るだけの手軽さが魅力ですが、実際には「どこまで結露を抑えられるのか」「ほかのアイテムとどう併用すればもっと効果が出るのか」といった疑問を持つ人も多いはずです。
この章では、さらに一歩踏み込んだ活用術として、ニトリの本格的な窓シートとの違い、身近なもので代用できるアイテム、プチプチ活用の可否、そして冬に結露を根本から抑えるための総合的な方法まで詳しく解説します。
最後には全体の要点を整理したまとめも用意し、実践しやすい形で理解を深められる構成になっています。
ニトリ商品のおすすめ紹介

ニトリは、家具やインテリアだけでなく、窓の断熱と結露対策に特化したアイテムも豊富に展開しています。
特に、断熱・結露抑制窓シートや結露吸水パネルは、冬場の窓際の寒さやびっしり付いた水滴に悩む家庭で、多面的な対策をとりやすいラインナップになっています。
断熱・結露抑制窓シートは、窓ガラスの室内側に貼り付けて使用するタイプが中心です。
ガラスと室内空気の間に薄い空気層をつくることで、ガラス表面の温度低下を抑え、空気中の水蒸気が水滴になりにくい状態を維持することを目的としています。
建築分野では、熱の伝わりやすさを示す指標として熱伝導率や熱貫流率が用いられますが、一般に、ガラスに比べて空気を含んだ層は熱を伝えにくいため、窓の表面温度を高める方向に働きます。
その結果、結露の発生リスクを抑えやすくなります。
ニトリの窓シートの特徴
ニトリの断熱・結露抑制窓シートは、次のような特徴を持つ商品が多いとされています。
ガラスの表面温度の低下を抑え、結露の発生を抑制する
断熱効果で冬場の暖房効率を高め、暖房費の節約につなげることを目的としている
目隠し効果がありつつ、紫外線カット機能を備えた商品もある
水貼りや吸盤効果で貼ってはがしやすいタイプも展開されている
表面に凹凸を設けたタイプや、不透明度の高い柄入りタイプは、視線を遮りながら採光を確保しやすい設計になっています。
特に、通りに面した窓や隣家との距離が近い窓で、プライバシーと断熱を両立したい場合に選びやすい仕様です。
また、UVカット機能を持つ製品では、家具やフローリングの日焼け対策も同時に行えるよう配慮されています。
一方、結露吸水乾燥シートや結露吸水パネルといった商品は、窓下に垂れた水滴を積極的に吸い取る役割を担います。
防カビ加工や吸放湿繊維が用いられているタイプでは、夜間に吸い取った水分を昼間の暖かさで放湿しやすい構造が採用されており、サッシ周りが常にびしょ濡れになり続ける状態を緩和することが期待できます。
カーテンの裾や木製枠の腐食、黒カビの発生を抑える意味でも、断熱シートとの併用は有効な選択肢となります。
100均とニトリのざっくり比較
| 項目 | 100均シート | ニトリの窓シート |
|---|---|---|
| 価格帯の目安 | 1枚あたり数百円未満 | 1,000円前後から複数千円程度 |
| 厚み・耐久性 | 薄手でシーズンごとの貼り替え向き | 厚手で、断熱・結露抑制を重視 |
| 機能 | 断熱・結露抑制を簡易的にサポート | 断熱・結露抑制に加えUVカットなど |
| 向いている用途 | とりあえず試したい窓、小窓中心 | リビングの大きな窓などメイン窓用 |
100均シートは、初期費用を抑えつつ「まずは効果を試してみたい」窓に向いています。
小窓や北側の小さな窓など、比較的冷え込みが軽い場所であれば、簡易的な断熱でも日常的な結露量を減らせるケースがあります。
一方、ニトリの窓シートは、厚みや多機能性を重視した設計が多く、リビングの大きな掃き出し窓や、家族が長時間過ごす部屋の窓など「快適性と省エネを両立したい」場所に適しています。
100均 結露防止シートで感触をつかみ、効果を実感できた窓には、ニトリのような本格的なシートにステップアップしていく流れを取ると、コストと効果のバランスを取りながら少しずつ住宅全体の断熱・結露対策を強化していくことができます。
結露防止シートの代用になるものは?

結露防止シートを購入する前に、手元にあるもので何とか対策できないか検討する人も多く、「結露防止シートの代用になるものは?」という疑問がよく挙げられます。
ここでは、一般的に紹介される代用品と、その仕組み、注意点を整理します。
代表的な代用品として挙げられるのは、次のようなものです。
●段ボールや発泡スチロール板を窓際に立てかける
●厚手のカーテンや断熱カーテンライナーを追加する
●アルミシートや断熱ボードを窓際の床や壁に設置する
段ボールや発泡スチロール板は、内部に空気層を含む素材であり、空気の熱伝導率が低いことを利用して冷気の侵入を抑える考え方です。
窓と室内の間にこうした板状のものを立てかけると、ガラスが直接室内空気に触れにくくなり、窓際の冷気を軽減しやすくなります。
ただし、窓ガラス自体を覆いきれない場合や隙間が大きい場合には、断熱効果が限定的になる点に注意が必要です。
厚手のカーテンや断熱カーテンライナーは、窓と室内の間に布の層を追加することで、暖かい室内空気が冷たいガラス面に触れる機会を減らし、結露を抑えることを目指します。
床まで届く丈のカーテンや、裏地に断熱性のある素材を用いたカーテンは、窓際の冷気を遮るのに役立ちますが、カーテンの内側で結露が発生することもあるため、カーテンレール上部や下部に隙間をつくり空気を逃がす工夫も検討されます。
アルミシートや断熱ボードは、床や壁から侵入する冷気をカットし、足元の冷えを軽減する目的で利用されます。
窓周りに隙間風が多い場合、床に冷気が溜まりやすくなるため、窓直下の床に断熱ボードを敷くことで体感温度が上がり、結露による冷えを間接的に緩和しやすくなります。
一方で、段ボールや布類は水分を吸いやすい素材のため、結露による湿気を含んだ状態で放置すると、カビやニオイの原因になりやすいとされています。
とくに窓際は外気温との温度差が大きく、湿度も高まりやすい環境です。
こまめな乾燥や交換を行わないと、不衛生な状態になりやすい点は、専用シートと比べた時の大きなデメリットです。
こうした点を踏まえると、代用品は「一時的な応急処置」や「費用をあまりかけずに効果を試したい段階」で活用し、長期的な使用や手間を減らしたい場合には、専用の結露防止シートや吸水シートへ移行するほうが、メンテナンス性の面で有利だと考えられます。
プチプチで結露防止はできますか?

プチプチ(気泡緩衝材)を窓に貼る方法は、昔から知られている簡易的な断熱・結露対策の一つです。
通販の梱包などで余ったプチプチを再利用できるため、コストをほとんどかけずに試せる点がよく取り上げられます。
プチプチを窓の内側に貼ると、気泡の中に空気層が生まれます。
空気は熱を伝えにくいため、ガラス面が直接外気にさらされる場合と比べて、冷えにくくなる方向に働きます。
その結果、窓ガラスの表面温度がわずかに高くなり、結露の発生がある程度抑えられることが期待されます。
この仕組み自体は、窓用断熱シートと共通する基本原理です。
一方で、専門サイトなどでは、プチプチはあくまで梱包材として設計されており、窓用断熱材として長期使用することを前提としていない点が指摘されています。
素材の耐久性や耐候性、紫外線への強さ、粘着方法などが窓専用品とは異なるため、次のような注意点が挙げられます。
プチプチを使う際の注意点
●視界が悪くなりやすく、外の景色を重視する窓には向かない
●プチプチの表面に結露がつき、それがカビやダニの温床になる可能性があるため、定期的な交換や掃除が欠かせない
●両面テープなどで貼る場合、ガラスやサッシに糊が残るリスクがある
特に、透明度の高い窓で外の景色を楽しみたい場合や、採光を大切にしたいリビングの窓では、プチプチを全面に貼ると圧迫感や暗さにつながることがあります。
また、プチプチの気泡部分に付着した水滴が長時間残ると、カビや雑菌の増殖につながるおそれがあるため、こまめな点検と交換が必要です。
こうした特徴から、プチプチは「とりあえず試してみる」「来客までの数日だけ結露を軽くしたい」といった短期的な対策としては有効ですが、長期利用やメンテナンスの手間を考えると、窓用に設計された断熱シートや結露防止シートに切り替える方が扱いやすい選択肢になります。
冬に結露させない方法はありますか?

冬の結露をできるだけ発生させないためには、単に窓にシートを貼るだけではなく、室内環境の調整と窓まわりの断熱強化を組み合わせた総合的な対策が大切です。
結露は、室内の暖かく湿った空気が冷えた窓ガラスに触れて、空気中の水蒸気が水滴として現れる現象です。
気象学では、空気に含まれる水蒸気量と気温の関係を相対湿度で説明しており、気温が下がるほど空気が保持できる水蒸気量は減少し、飽和状態に達すると結露が発生しやすくなります。
そのため、冬に結露を抑えるには「湿度を上げ過ぎない」「窓を冷やし過ぎない」「空気を動かす」という三つの視点が軸になります。
住宅の省エネと結露対策については、国土交通省 国土技術政策総合研究所の技術資料でも、高断熱と適切な換気の組み合わせが重要とされています(出典:国土技術政策総合研究所「省エネと結露」)。
室内環境の見直し
●加湿器の設定を見直し、必要以上に湿度を上げ過ぎない
●料理や入浴後はこまめに換気扇を回し、湿気を屋外に逃がす
●室内干しの位置を窓から離す、もしくは除湿機と併用する
室内の相対湿度が高くなり過ぎると、窓ガラスまでの空気の移動が少ない場合でも結露が生じやすくなります。
加湿器を使う場合は、湿度計で状態を確認しながら、過度に湿度を上げないよう調整することが結露予防につながります。
また、調理や入浴は大量の水蒸気を発生させるため、その直後に換気扇を効果的に使用することが重要です。
窓まわりの断熱強化
●100均やホームセンターの結露防止シート・断熱シートを窓に貼る
●サッシ部分には吸水テープを貼り、垂れる水滴を受け止める
●断熱カーテンやカーテンライナーで、窓と室内の空気を直接触れさせない
窓用断熱シートは、室内側に空気層をつくり、ガラス面の温度低下を緩和する役割があります。
これにより、室内の空気が結露温度に達する前に冷やされるリスクが下がり、結露発生が抑えられます。
サッシ部分については、完全に結露をゼロにすることが難しい環境でも、吸水テープを貼ることで水滴を受け止め、カビや腐食の進行を遅らせる効果が期待できます。
断熱カーテンやカーテンライナーは、窓からの冷気を遮断し、部屋全体の体感温度を底上げするうえでも有効です。
ただし、カーテンと窓の間に空気がこもり過ぎると、その空間で結露が発生しやすくなるため、カーテン上部や左右に適度な隙間を設け、空気が循環できるよう配慮することも大切です。
本格的な対策も選択肢に
より本格的な対策として、二重窓(内窓)の設置や、樹脂サッシ・Low-Eガラスなどの採用が挙げられます。
これらは窓の断熱性能自体を高めることで、窓表面の温度を大きく改善し、結露の発生を大きく減らせるとされています。
とくに、アルミサッシから樹脂サッシに変更した場合や、単板ガラスから複層ガラスに変更した場合には、窓際の体感温度が大きく向上したとする報告も多く、長期的な視点で見た住宅性能の底上げとして検討されることが増えています。
日常的には、100均 結露防止シートやスプレー、吸水テープといった手軽なアイテムを上手に組み合わせながら、換気・除湿・断熱カーテンなどの基本対策を並行して行うことで、冬の結露トラブルを段階的に軽減しやすくなります。
窓ごとの結露の量や頻度を観察しつつ、必要に応じてニトリやホームセンターの高性能シート、さらには二重窓などの本格的な設備へとステップアップしていくことが、無理なく快適な室内環境に近づける現実的なアプローチです。
【まとめ】100均の結露防止シートについて
最後に本記事で重要なポイントをまとめます。

